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有限会社 石川メンテナンスは水処理の保守・点検・管理を専門とする会社です。

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石灰石によるPHの低下防止についての研究LIMESTONE

実験


目的

 浄化槽放流水のPHが時として放流基準の5.8~8.6の範囲を逸脱する。本実験はPHが酸性サイド(5.8以下)に傾いた時、石灰石(炭酸カルシウム)を利用する事によりPH低下を防止し中性サイドに移行させる事が出来るかどうかのテストである。




使用器具

石灰石(炭酸カルシウム)
エアーポンプ
チューブ
酸素分散器
秤量計
スポイト
希塩酸(1+10)
1ℓ容器
10ℓ容器
純水




実験方法

 曝気槽を想定した1ℓと10ℓのそれぞれの容器に、純水を入れ希塩酸を混ぜ酸性サイドに調整したPH既知の実験水を用意しエアレーションを行う。
この液に石灰石(炭酸カルシウム)を投入し経時変化によるPHの変動を調べる。




実験1

 ・PHの経時変化〔実験水1ℓに1.0gの石灰石を投入した場合〕

PHの変動

   経過時間
実験水

スタート

10Hr

24Hr

36Hr

1ℓ

4.3

6.2

7.3

7.2







実験2

 ・PHの経時変化〔実験水10ℓに1.0gの石灰石を投入した場合〕

PHの変動

   経過時間
実験水

スタート

10Hr

24Hr

36Hr

10

4.9

5.2

6.2

6.9







実験3

 ・PHの経時変化〔実験水10ℓに5.0gの石灰石を投入した場合〕

PHの変動

   経過時間
実験水

スタート

10Hr

24Hr

36Hr

10

4.9

6.2

6.3

6.7








実験4

 
・PHの経時変化〔実験水10ℓに10.0gの石灰石を投入した場合〕
  ※実験水のPHを3.0の調整水を使用してテスト。
   〈実験1〉〈実験2〉〈実験3〉よりスタート時のPHをより
   酸性サイドにして石灰石10.0gを投入した。

PHの変動

   経過時間
実験水

スタート

10Hr

24Hr

36Hr

48Hr

10

3.0

3.1

4.3

5.7

7.3

 

60Hr

72Hr

84Hr

96Hr

108Hr

7.4

7.4

7.1

7.3

7.2







考察

 浄化槽を点検すると、過曝気・低負荷等々により、排水中のPH値が低下する傾向にあり、排水基準の下限値5.8よりも下がる事がある。
排水基準値内にするために、我々は苛性ソーダ等を使って中和処理をするが、急激な上昇により中性域に調整するのは手間がかかり、頻繁にチェックをしなければならず厄介である。そこで我々は石灰石(炭酸カルシウム=CaCO3)によるPH中和法を検討した。
特に目新しくはないが、着目点は、石灰石は酸性水においては、CO2を発生し、その結果として中和反応を示す点を利用する事である。曝気槽内に石灰石を投入する事によりPH4.0~6.5程度の曝気水・放流水を十分に排水基準内におさめる事が出来るのではないかと思い実験を行った。
結果は十分満足するものであった。酸性水が石灰石から出るガスによって中性域になるとCO2ガスの発生も止まり、中性付近を保持できた。浄化槽、廃水処理を管理する上でこの方法は簡便かつ安価で非常に有効な手段であると思われる。


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